コンサル×動画。
動画は課題解決のツールの1つであることを忘れない。
プルークスは、皆木さんが約3年前にマンションの一室で立ち上げたと伺いました。
元々コンサルティングファームで活躍されていた中で、
なぜ起業に踏み切ったのでしょうか。
<皆木>
コンサルタントとして様々なお客様と関わる中で、第三者的な立場でビジネスを動かすのではなく、自らの手でビジネスをやっていきたいと思ったことが創業のきっかけですね。
様々な業界を見た中でも広告業界は、良くも悪くも仕組みが昔からあまり変わっていない。
本当に顧客の経営を考えた上での課題解決に向き合えている企業は少ないように感じたのです。
そのため発注側に負担がかかり、その負担を削減するためには莫大な費用がかかってしまう・・
そういった業界を変え、本質を追求しクライアントのサポートをしたいと思いました。
動画ビジネスも流行してはいますが、「良い動画=なんかかっこいい動画」という発想だと意味がないですよね。
会社方針や経営戦略、その中で動画を含めたマーケティングツールで解決できることはもっとたくさんあると思っています。
プルークスは動画の会社です。
しかし、コンサルティングファーム出身メンバーで創業したということもあり、一番の強みは経営戦略から企業の課題解決を行っていくこと。
そのために動画を活用しており、必要であれば動画以外のものを活用して課題解決のご提案を行うことも多々あります。
最近は動画を活用している企業も増えてきました。
プルークスならではの、動画マーケティングのポイントや大切にしている想いはありますか?
<皆木>
立ち上げの理由でもある、課題に向き合った提案を行うという点は今でもプルークスならではだと感じています。
お客様からもその点をご評価いただくことは多いですね。
クリエイティブを科学するということをプルークスでは掲げていますが、創業当初の目的であった課題解決の部分をご評価いただいているのは、私たちとしてもとても嬉しいですし、今後も大切にしていきます。
それと、制作実績の幅広さも大きなポイントになっています。
プルークスでは1,000名以上のクリエイターとのネットワークを構築しています。
そのため、アニメーションから実写、3DCGまで、クライアントの課題解決に最適であるクリエイティブを提案することが可能です。
普通のクラウドソーシングのシステムだと、クライアントとクリエイターの間でクオリティ面のミスマッチが起きてしまったり、クリエイターが安価で仕事を請け正当な評価をしてもらえていないという自体が、起こってしまっています。この仕組みだとこれまでの業界の課題点は解決されません。
そういった事態をなくすために、プルークスでは、プランナーが一貫してプロジェクトのメイン担当を行いクオリティを保持するとともに、クライアントとクリエイター両者ともWin-Winの関係性になれるようにしています。
課題解決に向き合う、動画クリエイティブのポイントとは
皆木さんから、課題解決に向き合っているというお話しもありましたが、
クリエイティブを総括している塩口さんは、動画の効果についてどうお考えですか?
<塩口>
私も課題解決という点はとても意識しています。
ですが、1本の動画で全てが解決できるとは思っていません。
クライアントのカスタマージャーニーを洗い出し、どの部分を動画で解決できるかという点から考え提案を行なっています。
その中でPDCAを回していくために、クライアントの課題解決の中で動画が果たす役割がブランディングなのか、レスポンス型なのかという点は意識していますね。
ブランディングの場合は、認知率、想起率、購入意向の態度変容などのブランドリフト調査を行うケースが多いです。
その手前で完全視聴率や視聴単価を立てる場合もありますが、そういった数値よりも結局は購入意向が上がらないと意味がないと考えています。
レスポンス型の場合は、CPAを意識しています。
そのために、クリック単価やインプレッション数を立てて効果検証を行っています。
しかし数値はあくまでもただの数値であり、効果検証には必要ですが本当にクライアントが何を目的としているのか、それが解決されているのかというところに向き合っています。
課題に向き合うのは、クライアントの理解も必要となりますね。
どういう風にクライアントと並走しているのでしょうか?
<塩口>
もちろん、中長期的な課題にも向き合うわけですから、本当の意味で認知を上げていくと考えると、2〜3年はかかるでしょう。
動画で向き合う課題を明確にし、効果検証→改善を繰り返して次の施策を提供していくことが大切だと思っています。
塩口さんはバイラル動画も多く企画していますが、
バイラルを起こす動画に共通するクリエイティブポイントはあるのですか?
<塩口>
バイラルは結果論だと思っています。
話題になることは大切ですが、バイラルが起こることによって、課題部分が解決できたのかを意識しています。
再生回数が多くても、記憶に残らない動画も結構ありますからね・・。
とはいっても、バイラルが起こることは話題になっているということですし、Web上での議論を生むため、必要なことではあります。
クリエイティブポイントとしては、やはり視認性を高めること。
視聴者は、スマホで動画を見ることが多く、さらには自分のペースで見ています。
視認性が高くなければすぐに飛ばされてしまうのです。
1つの構成を短くしたり、インパクトのあるシーンの入れ方なども気遣いますね。
また、自分ごと化できる企画は必須だと思います。
テレビ広告だと、視聴者は受動的に広告を受け取っていますが、デジタルではそうではなく、能動的に広告を見ています。
そのため、広告色が強いものは視聴者に受け入れられません。
どういう思考性の人をターゲットにするのか、細かい部分やシーンまで設定し自分と関係性があると考えてもらえる動画のみが受け入れられるのです。
塩口のクリエイティブについての話は、以下にも掲載中です
ネット上のトラフィックは90%が動画になる?プルークス取締役塩口が語る「動画広告運用のすべて」
https://www.wantedly.com/companies/proox/post_articles/71797
電通・博報堂だらけの「Japan YouTube Ads Leaderboard 2017年下半期」にプルークス制作の動画広告が入賞した話。
https://puruchan.proox.co.jp/business/2269/
新たな事業展開と、テレビ×デジタルで行っていくこと
J:COMとの提携後、プルークスに副社長としてジョインされた松浦さん。
プルークスとJ:COMとの提携の目的はどういったところにあったのでしょうか?
<松浦>
デジタルの動画分野を、J:COMの新たな事業の柱とするのが目的です。
J:COMは、ケーブルテレビとメディア事業を二軸としてビジネスを行っているのですが今後の事業の1つとして、新たに動画ビジネスに注目しました。
そこで出会ったのがプルークスです。
J:COMグループの持つテレビや映画の制作シナジーと、プルークスが持つオンライン動画の制作シナジーは確実にお互い良い影響があると考えました。
プルークスの考える課題解決型のコンサルティングは今後確実に重要視されますし、J:COMグループでもそれは必要になってくる部分ですね。
今回の提携は私たち社員にとっても驚きのニュースでした。
お互いに良いシナジーを発揮できるとのことですが、今後の展望を教えてください。
<松浦>
まだ今は公にはお話できないところも多々あるのでもどかしいですが、大きいところでいうと、テレビとデジタルでの広告を共同開発していきます。
J:COMの持つチャンネルは、ターゲットをセグメントしたチャンネルが多くあります。
そういったターゲットに対し、テレビとデジタル両軸で広告を接触させることによりどのような効果を測ることができるのか、相乗効果を測定していきたいですね。
テレビを見た後に動画広告に接触させるのか、テレビを見ながらスマホを操作する視聴者に対して動画広告を接触させるのかなどどのタイミングで動画広告を接触させるかでも大きく効果は異なってきそうです。
クライアント側やクリエイター側の負担が多くなってしまうというお話がありましたが、受け取り手にとっても、今はまだ広告を不快に感じる人も多いというのが現状。
それぞれにストーリー性を持たせた広告を展開することによって、受け取り手側がコンテンツとして楽しむことができる広告展開をしたいです。
そういった広告展開を実現していくことが、クライアントの課題解決にもつながり、広告に関わる人たちに良い関係性を築くきっかけになるのでは と考えています。
皆木さん、塩口さん、松浦さん ありがとうございました!
凧が一番高く上がるのは、風に向かっている時である
風に流されている時ではない
この言葉は、昨年公開された映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」でも有名な、イギリスの政治家 ウィンストン・チャーチルの言葉です。
どんな局面でも自身の正義心と判断を貫いたチャーチルは、現代でも「最も偉大なリーダー」として讃えられています。
新しいシーンを切り開く時は、決して楽ではない。
しかし物事が本当に動くのは、流れに乗せられている時ではなく、何か困難にぶつかりながら進んでいる時なのだと、私はこの言葉から学びました。
http://meigen-ijin.com/winstonchurchill/